国産ヴィンテージジーンズが作られていた1970年代、国内のジーンズメーカーは大小160社以上あったそうですが、こちらもその内の1つのメーカーです。
COSMOJEANS コスモジーンズ
ブランドはコスモジーンズです。
調べてみてもあまり詳しい事はわかりませんでしたが岡山県倉敷市児島地区のメーカーだったようです。
コスモジーンズ686のディテール
ディテールを見てみたいと思います。
紙パッチ
入手した時点で触るとボロボロになる程に硬化していました。
型番は686でストレートですが、何故かフレアシルエットも同じく686のようです。
とてもおおらかな時代だったのかもしれません。

フラッシャー
国産ヴィンテージジーンズのフラッシャーは大きな字で、ウエスタンジーンズやUSAとアピールしている物が多いですが、こちらはちょっと控え目な印象です。
紙パッチもフラッシャーも全て英語で、一文字も日本語がありませんので、アメリカのメーカーだと思ってしまいます。
お手紙みたいにも見えます。
この後の年代の物になるとフラッシャーに日本語が入ります。
紙パッチと同じテンガロンハットの絵と下部には荒野のような西部を連想させるような絵。

プロレス好きの私はテンガロンハットを見る度、往年の名レスラー、スタン・ハンセン氏やファンクスが頭に浮かんでしまいます。
テキサス魂を感じます。
フラッシャーの下部の右側のS・Tはストレートの事だと思います。
一瞬「スタン」だと思ってしまいました。
フロントボタンとジッパー
フロントボタンは星と月桂樹が刻印されていますが汎用品だと思います。ジッパーはTALON。
ボタン横のステッチはVでも平行でもないステッチでした。

リベットとリベット裏
リベットは無刻印で、リベット裏はリーバイスのヴィンテージXXのような銅製。


赤タブ
面白いと思ったのが赤タブです。
表がインチ表示で裏がcm表示の芸の細かさ。


織りネーム
国産ヴィンテージジーンズお馴染みのデザインの織りネーム。
綿100%とアメリカ製(素材が)をアピール。

セルヴィッジ
アウトシームが両耳で耳のラインが2本線でした。
両耳はテンションが上がります。

コインポケットにも縦方向で耳付きでこちらも2本線。
前たての部分にも耳が使われていましたが、こちらは1本線。


生地
気になる生地ですが、染めが濃くザラ感は控え目ですがネップ感はなかなかだと思います。
予想ですが70年代初めの物だと思われます。
アメリカ製の生地ですが、コスモジーンズの場合どこのメーカーの生地が使用されてるかまでは明記されていません。
ラインが2本線なのでコーンミルズの可能性が高い気がします。(願望も込めて)
国産ヴィンテージジーンズ全般的にアメリカ製の生地は2本線が殆どな印象ですので、コーンミルズの割合が多いのかもしれません。
裾シングルステッチ
こんなベルトループの裏まで太い糸が使われていて至るところがチェーンステッチですので圧を感じます。

しかし肝心の裾がシングルステッチでした。
この個体に限らずコスモジーンズは裾シングルの割合が高いと思います。
私の場合、国産ヴィンテージジーンズは裾が丁度良い長さで裾上げ不要なのですが、こちらはチェーンステッチに直してもらいました。

シルエット
シルエットは股上が浅くて細身でした。
防縮加工生地をワンウォッシュしたものだと思いますが生地もバキバキという感じでとても良い雰囲気です。
水通しをしてみたら2cm程縮みました。
先程の686という型番はリーバイスの防縮加工生地(686加工をした物)を使用しているという意味なのかもしれません。
しかし縫製は荒く古い物という事もあると思いますが、すでに糸切れなどが見られますので、穿き込みを開始するとリペアが必要になりそうな気がします。


伸ばすか痩せないとキツそうです。
リーバイスと違う、ウエストバンド上下チェーンステッチなのにリベット裏が銅など、このような面白い組み合わせも国産ヴィンテージジーンズならではだと思います。
裏はアルミより銅の方が安心です。
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